低用量ピル(OC)とは、低用量経口避妊薬のことです。一般的な呼び名であるピルの「OC」とは「Oral Contraceptives(経口避妊薬)」の略です。低用量ピルは、昔から使われていた中用量ピルの副作用を少なくするために、"避妊効果を保ちながらホルモン量を減らす"という努力から生まれました。
現在日本で販売されている低用量ピルは、40年以上も前から海外で販売されており、安全性も確立されています。卵胞ホルモンと黄体
ホルモンの2つの女性ホルモンが含まれているピルを、毎日規則正しく服用すれば、高い避妊効果が期待できます。赤ちゃんが欲しくなってOCの服用を止めれば、速やかに妊娠可能な元の状態になります。当院ではジェネリック医薬品以外、全種類の低用量ピルを扱っているため、あなたに合ったものをご提供いたします。
● 35歳以上で1日15本以上喫煙されている方
● 糖尿病や高血圧の方
● 生あくびなど前駆症状のある片頭痛をお持ちの方
● BMI35以上の肥満の方
OCにはいろいろな種類があり、服用の方法や有効成分の配合量が少しずつ違います。OCは、21日間服用して7日間休む、28日周期が基本です。
すべての低用量ピルが避妊効果を持っていますが、少しずつ違う面を持っています。特定の低用量ピルが合わなくても、その他の種類の低用量ピルでは副作用がなかったり、望ましい副効果があったりすることがあります。野村クリニックでは、患者様にとってベストな低用量ピルを見つけ出すお手伝いをしています。
●21錠タイプ
すべての錠剤に有効成分が入っています。21日間錠剤を服用したら、7日間薬を服用しない休薬期間になります。
●28錠タイプ
有効成分の入った21錠を服用後、有効成分の入っていない錠剤(プラセボ)を7日間服用します。飲み忘れを防ぎやすいタイプです。
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トリキュラー28 バイエル社、第二世代の三相性の28日タイプ低用量ピル 特徴:LNGという黄体ホルモンの作用で子宮の内膜は安定します。 そのため、不正出血の発生が少なくなっています。 また、休薬期間(プラセボ期間)に出血が起こる人も多いです。 |
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トリキュラー21 バイエル社、第二世代の三相性の21日タイプ低用量ピル 特徴:トリキュラー28の偽薬部分がないタイプです。 使用する際は、21日間服用し、その後7日間休薬する必要があります。 |
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マーベロン28 特徴:マーベロン21に偽薬7個を含めて28錠タイプにしたものです。 飲み忘れが少なくなります。 |
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マーベロン21 一相性の第三世代の21日タイプ低用量ピル 特徴:DSCという黄体ホルモンが含まれています。 現在日本で発売されている低用量ピルとしては、比較的男性ホルモン作用が少ないものです。 |
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アンジュ28 あすか製薬、第二世代の三相性の28日タイプ低用量ピル |
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アンジュ21 あすか製薬、第二世代の三相性の21日タイプ低用量ピル |
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ルナベル配合錠(21錠) 子宮内膜症による月経困難症・機能性月経困難症治療剤 |
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ヤーズ配合錠(28錠) 月経困難症治療剤 特徴:28錠タイプですが休薬期間は4日間になります。 |
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低用量ピルの使用で、生理痛(月経痛)が軽くなることがあります。また、生理の量を少なくし、生理の期間を短くする効果も望めます。これは、低用量ピルに配合されているホルモンの影響で、子宮の内膜が厚くなりにくいからです。避妊だけでなく、旅行や行事などの予定に合わせて生理を調整するために、低用量ピルを使う方もいらっしゃいます。
生理前のニキビは、生理前のホルモンバランスと男性ホルモンが原因です。低用量ピルの服用によって、ホルモンのバランスを正常にすることが可能です。また、体質的に過剰な男性ホルモンの改善もできます。数か月間服用すれば、男性ホルモンの感受性を下げる効果も期待できます。アメリカやヨーロッパなど多くの国では、ニキビの治療薬として、低用量ピルが使われています。
イライラや精神的不安定、腹痛、腹部膨満感、頭痛、眠気、うつ状態などが、生理前に7日~10日ほど続くことがあります。それらの体調不良を、「PMS(月経前症候群)」といいます。その原因として、排卵による体調の変化や黄体ホルモンの作用が挙げられます。低用量ピルは、排卵を抑制し、黄体ホルモンのレベルを下げることが可能です。そのため、多くの症状の緩和にもつながります。
生理不順の原因は、ストレスやダイエットによるものがほとんどです。その場合、低用量ピルを服用することで、生理を順調にすることができます。ただし、生理不順の原因によっては、適切な治療をしなければ不妊になるケースもあります。生理不順のときは、不妊を防ぐためにも、ホルモンを専門としている婦人科医の診断を受けることが大切です。
子宮内膜症の治療にも低用量ピルが使われています。低用量ピルは子宮内膜の増殖を抑える作用があり、子宮内膜症の治療薬として有力視されています。実際に一部の低用量ピルは、子宮内膜症の治療薬として保険を適応することが可能です。子宮内膜症の予防としても、低用量ピルは効果的です。
女性は、月経の度に数百cc出血するため、毎月の出血量が多いと徐々に貧血になる場合があります。また、血液の原料の一つである鉄分は、なかなか食事だけでは摂取しにくいことも原因の一つです。毎日鉄分を取るように指導しても、根本的な解決にはなりません。その点、低用量ピルは生理の量の減少も期待できるため、貧血対策としてもおすすめです。
おりものの量が多かったり、においが気になったりする原因は、ホルモンバランスの崩れがほとんどです。こうしたおりものの異常にも、低用量ピルが有効です。低用量ピルには、排卵を抑制する効果があります。そのため、排卵時特有のおりものを抑制する働きが期待できます。
日常生活を快適に過ごすために、どうしても生理を避けたいときがありませんか?そのようなとき、低用量ピルを飲むことで生理の日を調整することが可能です。
生理がくると予想される日のおよそ5日前から低用量ピルを飲み始め、生理を避けたい日まで1日1錠服用します。低用量ピルを飲んでいる間は生理がきません。飲み終えてから2~3日で生理がきます。移動させることができるのは、長くても10日間程度です。その後の生理周期まで変わるものではないので、生理変更日から1か月後にちゃんと生理はきます。
緊急避妊(モーニング・ピル)とは、「避妊をしなかった」「コンドームが破けた」などの性行為後に、緊急措置として行う避妊方法です。性行為後72時間以内に、多量の混合女性ホルモン製剤を服用することで、着床を防ぎ、避妊することができます。
ただ、服用による吐き気や頭痛、不正出血などの副作用もあります。この副作用が長く続くことはありませんので、ご安心ください。また、不妊の原因になることもありません。この避妊方法は、あくまでも緊急措置です。100%の避妊効果はないため、服用後3週間以上経っても生理がない場合は、再度受診するようにしてください。
低用量ピルを飲み始めた方が訴える症状の原因は、一時的なホルモン状態によるものがほとんどです。低用量ピルを服用すると、体内のホルモンバランスが今までと違う状態になります。その状態に慣れるまで、一時的に副作用が出る場合があります。
副作用がひどい場合や長く続くときは、すぐにご連絡ください。また、野村クリニックでは、服用上の不安や疑問をできるだけ軽減するために、低用量ピルの副作用や飲み忘れ時の対処方法などのご相談もお受けしております。
● 頭痛、吐き気
もし、頭痛や吐き気が起こっても徐々に治まりますので、ご安心ください。症状が強い場合は、頭痛薬や吐き気止めを処方いたします。
● 出血、乳房痛
最初の1か月目~2か月目は、不定期に出血や乳房の張りなどが起こることもあります。たいていの場合は服用中に治まりますが、長く続く場合はご相談ください。
● 血栓症
ふくらはぎの痛みや腫れ、激しい頭痛や胸痛などの症状がある場合には早めにご連絡ください。 また、喫煙される方は血栓症の危険性が高くなるので、禁煙されることをおすすめします。
血栓症の初期症状(まえぶれ)
1. ふくらはぎの痛み・むくみ、手足のしびれ(通常は片方のみ)
2. 鋭い胸の痛み、突然の息切れ
3. 胸部の押しつぶされるような痛み
4. 激しい頭痛、めまい、失神、視覚・言語障害(目のかすみ、舌のもつれ)
血栓症の危険が高まる状態
1. 体を動かせない状態
2. 顕著な血圧上昇がみられた場合 など
費用項目 | 内容 | 価格 | |
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低用量ピル | 第一世代 | ルナベル配合錠(21錠) |
子宮内膜症に伴う月経困難症・ |
オーソM |
2,300円(保険適用外) |
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シンフェーズ | |||
第二世代OC | アンジュ21 アンジュ28 |
2,300円 | |
トリキュラー21 トリキュラー28 |
2,300円 | ||
第三世代OC | マーベロン21 マーベロン28 |
2,300円 | |
第四世代 | ヤーズ配合錠(28錠) |
月経困難症治療剤 |
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ルナベルULD | |||
中用量ピル | ソフィアA ソフィアC |
2,100円 | |
プラノバール | 2,100円 | ||
緊急避妊 | ノルレボ | 1回服用 |
8,000円(初診料・ |
月経日の移動 | 遅らせる方法 |
日数(薬の錠数) |
現在、日本において、ほとんどの低用量ピルは避妊薬として考えられており、保険点数が決められていません。そのため、健康保険の適応がありません。また、ピルの服用のための定期検査も、健康診断と同じく保険の適応をしてはいけないことになっています。
ただし、体調不良や不正出血などのトラブルがあった場合にのみ、健康保険を使用して、検査や治療薬の処方が行えることになっております。そのため、低用量ピルに関する診察は、自費診療を中心とした診察となっています。なお、低用量ピル処方の際における再診料は、保険適応です。
自費によるピルの混合診療の多くは不正請求となり、刑事訴追されかねません。患者様にご迷惑をかけないためにも、保険診療適応事例以外での保険診療は行っておりません。
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